医療費控除の明細書の作り方
— 3つのやり方と、選び方

医療費控除を受けるには「医療費控除の明細書」を申告書に添付します。 作り方は3通りあり、どれを選ぶかで手間がまったく変わります。

監修: 公認会計士 剱持 健(合同会社Smart&Smooth 代表社員) / 最終更新: 2026年9月6日

領収書は提出しない。かわりに明細書を出す

2017年分(平成29年分)の確定申告から、医療費の領収書を税務署に提出する必要がなくなりました。 かわりに提出するのが「医療費控除の明細書」です。

領収書は捨てないでください。提出は不要ですが、 5年間の保存が必要です(申告期限の翌日から5年)。 税務署から提示を求められることがあります。

保存が必要なので、選り分ける意味はほとんどありません。使ったものも使わなかったものも、 封筒ごとまとめて5年しまっておくのがいちばん確実です。

作り方は3通りあります

やり方 中身 向いている人
① 医療費通知を添付する 健康保険組合などから届く「医療費のお知らせ」を添付すると、そこに載っている分は 明細の記入を省略できます。 公的医療保険の診療しか受けておらず、通知に1年分がすべて載っている人
② 明細書に自分で書く 国税庁の様式に、医療を受けた人・支払先ごとに手で書きます。 件数が少ない人(数件〜十数件)
③ 作成コーナーで作る 確定申告書等作成コーナーに入力するか、 医療費集計フォームを読み込ませると、明細書が自動でできます。 件数が多い人・家族分をまとめる人

①だけで済むことは、実は多くありません

医療費通知はいちばん楽ですが、次のものは載りません。

これらがある年は、通知に載っていない分だけを自分で足すことになります。 「通知が来たから安心」ではなく、通知と手元の領収書を突き合わせる作業が要る、 と考えておいてください。

明細書に書くこと

②③のどちらでも、書く中身は同じです。

  1. 医療を受けた人
  2. 病院・薬局などの支払先の名称
  3. 医療費の区分(診療・治療/医薬品購入/介護保険サービス/その他の医療費)
  4. 支払った医療費の額
  5. 生命保険や社会保険などで補填される金額

1行は「1枚の領収書」ではなく、「人 × 支払先」でひとまとめです。 同じ人が同じ病院に12回通ったなら、12行ではなく1行に合計を書きます。 これを知らずに1枚ずつ書き出すと、行数が何倍にも膨らみます。

10万円を超えないと受けられない、とは限りません

よく「10万円を超えないと医療費控除は使えない」と言われますが、正確には 「10万円」と「総所得金額等の5%」の少ないほうが基準です。

総所得金額等が200万円未満の方は5%のほうが小さくなるので、 10万円に届かなくても控除を受けられます。 たとえば総所得金額等が150万円なら、基準は7万5千円です。

「補填される金額」は、その医療費からだけ引きます

高額療養費、出産育児一時金、生命保険の入院給付金などを受け取った場合は、 その分を医療費から差し引きます。ここで間違えやすいのが引き方です。

補填はその給付の対象になった医療費からだけ差し引きます。 引ききれない分が出ても、他の医療費から引く必要はありません。

例:入院費20万円に対して保険金が30万円出たとき、差し引くのは20万円まで。 余った10万円を、別の通院費から引く必要はありません。

また、申告のときに給付額がまだ確定していない場合は、見込額で計算して申告し、 確定後に差が出たら訂正する扱いになります。

医療費ログでは

領収書をスマホで撮ると、AIが日付・医療機関・金額・宛名を読み取り、 人ごと・医療機関ごとに自動でまとめます。 最後に「医療費集計フォーム」を書き出して、確定申告書等作成コーナーに読み込ませれば、 上の③のやり方で明細書ができあがります。

通院の交通費も手入力で登録でき、健康保険組合からの「医療費のお知らせ」も撮って読み取れます。

このページは一般的な取扱いの説明です。個別の事情によって結論が変わることがあります。 判断に迷う場合は、最寄りの税務署または税理士にご確認ください。 制度の詳細は国税庁のウェブサイトでご確認いただけます。

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